ウルスラ問題は昨年末、多数の皆さんのご支援ご尽力によって和解が成立しました。
窪田さんは授業も始まり1ヶ月が経ちました。
ここに経過と現状を報告致します。
1. 1月8日 始業式 この日のホームルームの時間に校長先生は窪田さんが担当する予定の1年生のクラスに出向いて 「普通の先生と同じように授業を受け、普通の先生と同じように質問してしっかり勉強しなさい」と話、最後に「何かあったら 校長に報告すること」と結ばれたようです。
2. 1月10日に最初の授業があり、窪田さんは自己紹介とめが不自由なことについての説明を行い、覚えてきた生徒全員の名前を呼び、その返事を確認、そこで授業への協力と参加お求めました。
そして、現在までの生徒諸君のレベルを下げないことが最低条件であり、諸君がさらに伸びることが自分に課せられた仕事であると話しました。
3. 8日の校長の話で、学期途中での担当者の交代を告げられたクラスの中からは戸惑いの声があったようで、窪田さんは生徒さんたちに対しては気の毒に思っています。
4. 授業は、数学T4時間 数学Aが2時間の合計週6時間です。月曜日に2時間、火曜日から金曜日までが毎日1時間ずつで組まれています。
5. 授業の準備の第1は、教科書の文字と図形の形 様子をパソコンに入力してもらい、メールで送信してもらいます。(東京のボランティアの方々に入力を依頼。)
6. テキストファイル化された文字を音声で聞き取り、1週間分の流れを把握します。
そして、前日に翌日の内容を徹底丸暗記します。本文,例題,練習問題を完璧に暗記。さらに 生徒の実態に合わせた 解法を模索します。
教科書の模範解答とはなるべく異なる解法を考えます。理由は 考え方は人それぞれに異なり、定義や公式からどのように導くか、自分の言葉で導かせるためです。
7. 窪田さん自身は最大の欠点は、自分が黒板に書いた文字を再度読み直すことができないことであると考えています。
そこで、マグネット付きしーとを日曜大工店で購入し、x軸y軸を娘さんに30° 45° 60°の直角三角形を息子さんに、目印となる2糎四方のポイント片30数個を夫人に切り刻んでもらい、それをもって授業に臨んでいます。
授業中は教室内を巡回し、生徒たちとのコミニュケーションにも心がけています。
7. このところの授業内容は、数学Tでは「三角比の単位円」です。
授業開始時、二人の生徒に手伝ってもらい、x軸y軸のシートを貼ってもらいます。原点を中心とする円はコンパスを用いて チョークで描きます。その円に3枚の直角三角形が収まって、準備完了となります。
生徒たちに依頼するのはx軸y軸をきっちりと水平と垂直に交差するようにしてもらうためです。
説明に入ると2本の指示帽が威力を発揮します。
2本の先端をセロテープでゆとりをもたせて貼り付けて繋ぎます。
片方が単位円の半径を担うと片方の指示帽は推薦となってぶらさがりますから、直角三角形が任意の角度で表示構成されるのです。
数学Aでは「数列」で、生徒たちのもっとも苦手とする分野であり、窪田さんは説明に適切な具体例を挙げることに努めています。
8. 最初に出た生徒からの苦情は、「文字が重なる」「黒板を消すのが早い」でした。
この問題の克服の道筋を窪田さんは次のように述べています。
「どこに問題があるのだろう?とまんじりともしない夜を明かしました。
考えてみると、まだ文字が読めていた頃は、板書のスピードが信条であったのを思い出し、ゆっくりかくことがベターであることに気づきました。何でもないことでしたが、今までのスタイルは全部捨て去ることがスタートだったはずでしたが、それを忘れておりました。ゆっくりと文字に併せて言葉を発することもするようになりました。」
文 字が重ならないようにするには、 書いた文字の最終点にマグネットをつけておき、一旦黒板を離れた後で再び書き始める場所を確認できるようにしました。
文字の列が上がったり下がったり、文字の大きさが不揃いであるなど、まだ残る課題に対しても窪田さんは練習や工夫を重ねてゆくことでしょう。
9. 生徒さんたちは窪田さんに対して心温まる手助けをしています。
例えば、窪田さんは出席簿記入ができないので、ノートで補助簿を作っています。生徒さんがそれに欠席者を書いてくれます。それを基に担任の先生が正式に記入します。
荷物が多くなると職員室まで運んでくれます。何か落とすと拾ってくれます。チョークの色が異なると指摘してくれます。等々…
10. 先生方は出席簿の記入をはじめ日常的な援助をし、暖かく声をかけて励ましておられます。
最大の難題のひとつ、試験の採点も教科の先生方でサポートされることになっているようです。
11. 生徒たちの学習の実を上げ、保護者の付託に応えるためには何はともあれ、窪田さんは「わかりやすい授業をすること」を最大の目標とし、これしか残された道はないと決めて奮戦しています。
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ウルスラ問題の現状は以上のとおりきわめて順調ですが、3月までのいわゆる「慣らし期間」も後半になり、いよいよ新年度からの就業のための条件が具体化される時期となっています。
新年度においても、昨年12月に合意された和解条項に沿って、視覚障害教師としての窪田さんが積極的に受け入れられ、職務を遂行できることが、切に望まれます。
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