抗議

本会からの抗議として次の文が理事長宛てに郵送されました。

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学校法人聖心ウルスラ学園高等学校
理事長江藤スミ子様

 貴ウルスラ学園高等学校の窪田巧教諭に対して、貴職は2000年末ごろから視覚障害を理由に退職を勧告し、、2001年7月に解雇を通知し、2002年1月には、解雇撤回と共に、休職を命じられました。そして現在、窪田さんに授業はおろか、生徒が求める個人指導までも差し止めておられます。
 この経緯のすべてに対して私ども全国視覚障害教師の会は重大な関心を持って見守りつつ、貴職はじめ、理事の方々の、「目が悪いのだから、授業はできないであろう。」との甚だしい誤解を正していただけるようお願いしてまいりました。
 本会の実践記録の小冊子を差し上げ、リハビリに関する参考資料や、おねがいの文書をお送りし、また、本会創始者の三宅勝、と当時の会代表有本圭希が、貴職との会見を願い出ておりました。

 そもそも一職員が視覚障害者になったからといって、本人の能力を全面的に低いものと断定し、本人が働きつづけるために必要な環境整備、援助や激励を行なわず、退職勧告や解雇、休職命令をするなどもってのほかです。障害者に対する偏見から差別し、排除するそのスタンスは障害者と共に暮らすノーマライゼーション社会を創造しようとする世の人々の願いや努力を無視したものであり、まことに許しがたいものです。
 このような障害者への無理解、ゆがんだ人間観の下で教育を行なう貴職には生徒の教育権を云々することはできません。弱者を助けるやさしさを生徒に、とりわけ福祉コースにおいて教え、実感させることができるとは思えません。

 窪田教諭は去る8月20日の研究授業において、貴職が指摘しておられた視覚障害者が授業するについての懸念を見事に払拭されたではありませんか。図形や数式を板書し、特性の用具を駆使し、スピーディな授業で、他校生の模擬生徒役からは、わかりやすい、と好評でした。
 にもかかわらず、貴職たちに依頼を受けた評価員なる人々はその明らかな成功に目をつむり、歪曲して欠点をあげつらいました。更に、2時間の授業では見ることができなかった大部分の評価項目については、意図的に、彼らが持つ偏見をそのまま評価とし、窪田教諭を不適格と断じました。このことはやがて社会的に厳しい批判を免れないことでしょう。

 この評価員たちの不見識、暴論を、いかにも価値あるもののごとく、扱われ、裁判の証拠資料として提出されたこと自体、貴職の不見識であります。
 ただひたすら教壇に復帰することを願って、視覚障害のハードルをクリアーして見せた窪田さんの真摯な努力を見ながら、悪罵とも言うべきこの評価報告書を是とすることに対し、また、あくまでも生徒と関わることを妨げて教員室待機を続けさせる人権侵害に対し、本会として、強く抗議いたします。

                    2002年10月24日      
                    全国視覚障害教師の会
                    代表   山口 通

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