ここに掲載する裁判資料は2002年8月20日に実施された窪田教諭の「研究授業」に対して、理事者側に依頼された3名の評価員が提出した報告書に関するものです。
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平成14年(ワ)第146号 休職命令無効確認・賃金支払請求訴訟事件
原告 窪田 巧
被告 学校法人聖心ウルスラ学園
2002年9月30日
宮崎地方裁判所 民事第2部合議係 御中
原告訴訟代理人弁護士 清水 建夫
同 成見 幸子
同 成見 正毅
同 野村 茂樹
同 竹下 義樹
同 松田 幸子
同 東 俊裕
同 瀬戸 久夫
同 西田 隆二
同 相川 裕
同 渡辺 昇一
同 黒岩 海映
同 田中 省二
(1) 原告が8月20日に行った模擬授業は、わかりやすく、論理的であり、かつレベルの高いものであった。この模擬授業を素直な目で評価すれば、総合評価は4または5であろう。どんなに低く評価したとしても3を下ることはない。
(2) ところが、驚いたことに乙40号証は、10項目中9項目を1と評価し、残り1項目を2、総合評価を1とした。その上、「窪田巧氏が貴学園高等学校で教科数学の担当をすることは不適格である。」とまで言い切っている。
(3) 評価1というのは一般的には全体の3〜4%位であろうが、その1が10項目中9項目を占め、残りの1項目も2というのは、およそ人格的にも能力的にも教師の体(てい)をなしていない人物の評価であろう。最近「不適格教員」ということが取り上げられ、教育委員会の悩みの種であるとして報道されている。評価者を名乗る3名は、原告をこれら不適格教員と同等とみなし、現に「不適格である」と断定した。
(4) わずか2時間余りの模擬授業で3名は、原告の何を知り、このような断定をすることが出来たのであろうか。1と評価するには1である根拠を具体的に明示しなければならない。3名が作ったと称す授業評価表には各項目についてどの程度まで出来れば5で、次にどの程度までが4で、更にどの程度が3で、どの程度が2で、1はどの程度であるということは全く明示されていない。この3名は、評価基準を明示もせずに3名が1であると、乙第40号証に書けば原告の能力も1で決まるとでも考えているのであろうか。考えているとすれば不遜極まりない。
(1) 原告は被告の3名の理事から受けた名誉毀損並びに人権蹂躙の一連の行為については、複雑な思いが今なおある。しかしながら、今回休職命令の期間が満了し、復帰するにあたっては、被告の理事とも和を優先させ、本件高等学校の生徒の教科を強化することに全力を尽くしたいと思っていた。原告は8月1日からの職場復帰を円滑に進めるため、7月30日に校長に電話をかけ、7月31日に歩行訓練士とともに学校に行きたい旨告げ、その翌日学校に赴き、校長に挨拶をした。8月1日職場復帰の際は、夕方原告の妻が理事長を呼んでもらい挨拶をした。原告も原告の妻も、過去にこだわるよりも、生徒のために、理事長らとこれからの友好な関係を築くことが大切であると思ったからである。被告の理事たちにも誠意はいつかは通じるだろうという思いがあった。
(2) ところがその期待は、次々と裏切られている。原告は職員室に幽閉されたような状態で2ヶ月を過ごさせられ、数学教科部会からもはずされている。9月2日、理事長と校長が原告を理事長室に呼び、生徒にも教育権があるからと言って、2学期は授業をもたせないと言った。9月3日1年生の時に原告が担当した現3年生が原告に数学の質問に来たのに対応しているのを知り、校長は直ちに止めさせた。
(3) 被告の理事たちにも2つの選択肢があった。1つは過去にこだわることなく、原告を生徒のために有効に活用し、相協力して数学教科の強化に努めることである。今1つは、これまでに行った解雇・休職命令の路線をそのまま踏襲し、原告をいぶり出すことである。残念なことに理事たちは後者を選択し、原告が教壇に立つことを徹底的に阻止したいと考えているように思える。そうでなければこれほど徹底した生徒との隔離を行う筈がない。ひとたび原告が本件高等学校の生徒に対する授業をもてば、一瞬のうちに生徒との信頼関係が築かれる。被告の理事らは、それを最もおそれているとしか考えられない。原告が数学教師として優れていることが現実の生徒との関わりの中で実証されれば、理事らの行ってきたことの過ちが白日の下にさらされる。理事らは過去の経緯にこだわることなく、原告と協力して本件高等学校の質の向上に努めるべきであるのに、過去の過ちを他の理事や教職員に批判されることをおそれ、原告の排除に固執している。
被告理事らが、今後も原告の教壇への復帰を排除するためには被告側の評価は1でなければならなかった。仮に2と評価しても、2は「やや劣る」という程度であり、教師の一定部分はこれに含まれることになり、原告を排除することにつながらない。理事らが原告の教壇復帰の排除を続けるためには、評価者と称する3名に1の評価報告書を出させるしかなかった。
3名は被告側のこの意図に加担し、乙第40号証に記名、押印した。特殊な意図なくして、わずか2時間余りの授業を見ただけで真剣に模擬授業を行った人物に1をつけ、「数学授業の担当をすることは不適当である。」と断言することはあり得ない。
(1) 乙第40号証を一読すれば、3名が被告の理事らの選択にしたがって作成したものであること、事実の裏付けのない作文であることは明白である。数学は論理的な学科である。評価にあたっては、事実を踏まえた上で、何故に1となるかを実証し、明示しなければならない。1というのはもっとも低位の評価であり、低位の評価をするには他者を納得させるにたる裏付けが必要である。ところが、どの項目をとっても原告が何故に1であり、他の評価ではないのかを裏付けるものは何も示されていない。
(2) 乙第40号証は、敗訴濃厚の訴訟で、敗訴濃厚側の弁護士が、証拠を無視して、自己側に都合のいいことを一方的に言い放っている準備書面に等しい。論理を欠く乙第40号証を平気で作成する被告側評価者3名こそ数学のレベルが極めて低位であり、1にしか値しないと言われても致し方ないことである。
(3) 乙第40号証の11頁「生徒・保護者の心情」の記載は、3名の理事たちが言っていたことの正にオウム返しのことを繰り返している。評価者と称す3名は、障害を持った教師・障害を持った生徒が障害を持たない教師・障害を持たない生徒とともに学ぶことの大切さを全く分かっていない。数学者として不適格なだけではなく、教育者としても不適格である。
(4) 乙第40号証の中身を知って、視覚障害教師や障害者の中から被告側評価者3名の責任を追及するべきであるという意見があがっている。原告の身分上の地位・原告の家族の生活に重大な影響を与えることを十分承知で乙第40号証を作成し、「教科数学の担当をすることは不適格である」と断定した3名が、その責任を負うべきは当然であろう。
以上
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報告書そのものは当該者の秘密に属する者で、ここには掲載しませんが、この資料の中に引用された内容から推察される以上の酷評で、いかに理事者側の依頼を受けた人達とはいえ、その超論理の辛辣さは多くの参観者の予想をはるかに越えたものです。
評価の項目は、本サイト内の「授業評価表」のページをご覧ください。
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