2002年3月22日窪田巧さんは「休職命令の無効」と「給与の全額支払」などを求めて、学校法人聖心ウルスラ学園を相手として宮崎地方裁判所に訴訟を起こしました。
本会は5月13日の第1回裁判に有志で傍聴参加するとともに、それとは別にウルスラ学園高校との間で窪田さんが教壇に立つための話し合いに入ります。視覚障害教職員が教科指導等で生徒さんたちや学校にどんなにおおきく貢献できるのかを理解し、協力してもらえるよう努めていくつもりです。
今日まで「障害を理由とした解雇」に反対し、窪田さんの職場復帰の為にご協力を頂いた皆様に感謝申し上げるとともに、
ここに、あらためてこれまでの経過のあらましと、このたびの提訴についてご説明し、
各方面の皆様の一層のご理解とご協力をお願いいたします。
2002年4月28日
全国視覚障害教師の会代表 有本圭希
* * *この度の訴訟に至るまでの経過は次のとおりです。本ホームページ内ですでに報告済みの項目はリンクで詳しくご覧ください。
@ 2000年12月退職勧奨に類する理事長からの話
A 2001年4月 授業、校務分掌を外される
C 2001年9月 不当解雇に対して窪田さん、宮崎地裁に「地位保全仮処分」を申請
H 2002年1月31日 窪田さん側宮崎地裁に「申請」取り下げ。理事者側に対し文書で早期復職を求める
I 2002年3月 窪田さん側休職命令無効の確認を宮崎地裁に提訴
(1) 休職命令が無効であることについて
(休職命令ははじめ1月15日の理事者側の和解案の中ではその期間を、 「91年7月〜93年7月」としていましたが、 1月28日の通知書の中では、 「92年2月〜92年7月」と短縮しています。)
ウルスラ学園高等学校の就業規則は休職に関しては、次のように定めています。
(休職の事由)
第17条 職員が次の各号の一に該当するときは、休職を命ずる。
@ 業務外の傷病により引き続き欠勤2ヵ月を超えたとき
A 自己の都合により学園が認めたとき
B その他特別の事情により理事長が休職させることを必要と認めたとき
上記1号は「引き続き欠勤2ヵ月を超えるとき」と定めており、
窪田さんに欠勤はないので1号にはあてはまりません。
そこで休職命令には「就業規則17条3号」に基づき、休職を命ずるとしています。
しかし、3号においても、理事長に休職命令を行う権限を無制限に認められるものではありません。
ここに「特別の事情により」とある通り、
本人の現場復帰の希望を拒み、給与はわずか20%支給という不利益処分を行うには
これに相応する重大な根拠・事由が必要です。
しかし、窪田さんにはそのような事由は何もありません。
(2) 復職実現の可能性について
この休職命令は解雇撤回と同時になされました。
そして、この命令は復職させることを前提にはしていません。
清水建夫弁護士が1月30日理事者側代理人弁護士三浦敬作氏に話をしたところ、
理事者側は復職についての話し合いをするつもりはない、復職にあたっては休職期間満了後
「債務者(理事者側)の和解についての考え方」に示した検証を行うことが絶対的条件であるとの回答でした。
その「和解に関する考え方」は、
その検証で、労働能力が不十分であると判断した場合には、「労務提供能力を勘案して、職種、賃金などの労働条件の変更に関する変更解約告知を行なうか、または解雇する。」との言葉でむすばれています。
その「検証」とは、
休職期間満了後に「生徒への授業が可能かどうかを検証する」と称して、
理事者、教師を生徒とみなした模擬授業を行わせ、ビデオで撮影する、
この検証における判断のための基準は予め明らかにすることはできないといっています。
授業が可能と判断した場合にも更に7ヶ月にわたって授業その他の勤務の検証を行う、
この場合の授業についても理事、管理職、その他の教師が参観し、ビデオ撮影を行うというものです。
窪田さんは理事者から強引に授業することを差し止められるまでは視覚障害による不都合もなく「よくわかる授業をする先生」として教壇に立っていました。
その能力を何ゆえに検証しなければならないか、また、何をもって判定しようとするのか、不可解です。
その後、窪田さん側からの申し入れにもかかわらず、理事者側からの復職に関する話し合いに応じるという返答はありません。
原告代理人弁護士は清水建夫弁護士をはじめ、「働く障害者のための弁護団」に属する13名の強力な先生方です。
第1回裁判は宮崎地裁で5月13日午前10時から予定されています。
* * *