第1回審尋

2001.11.27.記者会見の報告

2001年12月5日  三宅 勝

去る11月27日、宮崎地方裁判所で第1回審尋(窪田さんが地位保全の仮処分などの申請をしていることに関して、裁判官が双方の申し分を尋ねるという意味の裁判用語)が行われました。「審尋」は非公開であったので、ここではそのあと、弁護士会館において行われた記者会見のあらましを報告します。
出席者は当方側からは、窪田さん、清水、竹下、東の三弁護士と視覚障害者協会の馬場氏、障害者問題に携わっておられる原田氏、地元の支援者として田平氏、視覚障害教師の会から三宅、記者団はそれぞれの紹介がなかったのでよく分かりませんがNHK、宮崎日々をはじめ各紙でした。

まず、清水弁護士から審尋のようすを次のように報告がありました。

 学校側からの解雇処分の理由は、「視力の低下(視力と視野)によるものであり、それ以外は何も無い」とのことであり、その理由についての陳述は、「窪田さんは教材をまる暗記してそれを生徒たちに説明するだけで、板書(黒板に字を書くこと)も十分行なえず、特に図形、図表などもかくことは困難である。また、家庭学習の点検も見えないがため十分な指導が出来ていない」などとあった。

しかし、これは見てきたような真っ赤な嘘であり、我々弁護団の目の前で示してくれた窪田さんの板書ぶりは全く澱みなくすらすらと書いていたし、質問にも即座に対応してくれた。
また家庭学習については、あらかじめ生徒たちに手渡してある問題集をもとにし、そのなかから学習の範囲を指定し、その点検学習は生徒の発表に沿って指導展開の方法を工夫しつつ行なわれていたことなどを主張した。
そして、それを証明するため、多くの卒業生たちから窪田さんの授業の様子を具体的に聞いたことなども付加した。

これらのことについては裁判官に十分理解してもらえたと想われるが、学校側は、当方の申し立てに対して反論するため、その期間を来年(2002年)1月21日までと要求し、問題の先送りをしてきた。したがって審尋の結果はそれ以後となりそうだ。

以上のような報告の後、次のような質疑応答がありました。

 1 この度のような解雇処分や裁判の前例はあるのか?
  −−関西電力で起こった解雇処分に対する裁判があった。その判決例は、「2000年6月に解雇処分は撤回、継続勤務」というのがある。しかし、学校関係で視覚障害者に対する事例はこれが初めてである。

 2 窪田さんのいまのお気持ちは?
  −−今日1日の陳述で審尋が終り、来月(2001年12月)にも結果が出ると想っていたが...

 3 2002年1月21日にも記者会見を持つか?
  ーーご要望があればこのような形で行なうつもりだ。

 4 署名活動をしているが、その経過は?
  これについては窪田さんから地元での署名集めの実情を、視覚障害教師の会からは、この27日に合わせるため、まず会員主動 で行なってきたようすを説明し、現地のものと併せて現在すでに相当数が集まっているが、なおも集まりつつある。今後は他の障害者団体、会員の職場、組合に働き掛けていくつもりだと答弁しました。

当該者、窪田さんからのメッセージ

(2001年12月3日)
前略。
 この度は、私の件でご尽力いただき厚くお礼申し上げます。

 11月27日午後、第1回審尋がありました。そのあとに三宅先生から、皆さまからのご支援の署名用紙とカンパ資金を戴きました。この署名用紙が重くてかなわん、と笑いながら手渡される用紙は、皆さまの心と合わさってずしりと重く感じました。
 ありがとうございます。確かに受領いたしました。今後の活動の基とさせて戴きます。

 裁判(審尋)では、裁判官は先に学校側の意見を聞き、入れ替わるようにして私側の意見を聞いております。
 実に明快にかつ簡潔に項目を消化してゆきました。
 実に細やかな気配りまでして戴いております。質問疑問点を箇条書きにし、かつ拡大印刷までされていました。これ以外にも私への質問があります。

 こんな中、私を囲むように、柔らかくそして鋭く切り込む清水先生、正面を突き進む重量フォワードの竹下先生 東先生、穏やかに構える地元の成見先生と、清水先生のおっしゃる「最強の弁護団」は心強い限りでありました。

 さて、内容は学校側から出されていた準備書面の文言に対してどうなのか、が大半です。
 「図形の指導ができない」など……。

 この中で「ベクトルや図形が窪田は書けない」に対して清水先生は延岡タイトハウスの黒板を借りて、私に模擬授業を行わせ、それをカメラに撮り、その中の数枚を反論の証拠として提出しています。

 併せて、清水先生の書かれた準備書面には私の考えをそのまま代弁する文が綴られております。畳み掛けるように近年の私の授業形態を卒業生が陳述書として協力してくれました。

 続けて、学校側には、「解雇しなければならない根拠を示せ」のような質問が出された節がみられます。
 具体的には、視力低下=教師としての能力喪失と言えるのか、視力障害を有する教師は少なくない。表情が見えない=理解度が把握できない?
 以上のように裁判官が問い掛けています。

 学校側の答弁に、
 「視覚障害の教師の方々が活躍されておられることは認めるが、窪田の視力と視野に問題がある」とのことらしいです。
 矛盾していることに何故気づかないのか、またはごり押しなのか、不可解であります。

 このあと、弁護士会館に場所を移して、記者会見に臨みました。
 まず、清水先生から審尋の状況と法律的事項の説明がありました。
 記者の方々からの質問も熱心でかなり突っ込んだ質問もありました。

 夕方、NHKテレビに会見内容が流されています。

 学校側の再度検討させて欲しいとの要請の結果、2002年1月21日に第2回審尋が行われることになりました。

 以上、感想を報告させて戴きましたが、今後とも皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます。々

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