ウルスラへの抗議文

聖心ウルスラ学園高等学校理事長殿
              平成13年8月8日
            全国視覚障害教師の会

 このたび、貴法人が聖心ウルスラ学園高等学校数学科教諭、窪田巧氏へ出された解雇通知は予断と偏見に終始されたものであり、視覚障害者の人権を著しく侵害し、且つ労働権をも奪い取り、自立のリハビリテーションの機会さえも封じたものであります。
 このことは全国視覚障害教師の会として断じて許すことのできないものであり、ここに以下の点を踏まえ強く抗議を申し入れます。

 1 診断書の提出を職務命令の形態を取り、その診断書における症状のみを取り出し、勤務続行は不可能と一方的な判断にもとづき、それをもって解雇理由とされたことは障害のみを特定し、本人が抱く教育指導への意欲を認めず、また工夫や努力によって実現し得る可能性さえも否定するものであり、障害者の人格を無視したものと言わざるを得ません。全国においては公立私立を含む、小・中・高・大・盲、養護学校で視覚障害を持ちながらも独自の工夫により教鞭を取り続けている教師は数多く、併せてそれらの教師の勤務遂行を支える方策が講じられつつある現在、かかる貴法人の処置は時代の流れに逆行するものと言わざるを得ません。また、この処置は我が国における国連の定める参加と平等の理念にもとづき定められた障害者に関する諸法を無視した行為と受け止めざるを得ません。 2 リハビリテーションとは障害者の自立と職場復帰を目的として、残存する諸機能の訓練であるにも関わらず、誤った認識に立ち、これを封じ込めるということは労働権は言うに及ばず、障害者の生きる権利をも抑え込んだものと判断せざるを得ません。


解雇通知および経緯に記された文言には視覚障害を持ちながらも教段に立ち続ける教師たちにとって看過することのできないものが数多くあり、当該者もそれへの憤りを訴えています。よって当会は抗議を申し入れるとともに次のことを要請いたします。

 1 上記、2点を障害者基本法、雇用促進法、厚生労働省ならびに文部科学省の通達および、欠格事項の見直しと撤廃等にもとづき再考されること。
 2 解雇通知を撤回し、本人を交え話し合いを再開されること。
(なお、この件については全国における諸事例や実践例をご参考として提示させていただく用意があります)

 以上、全国視覚障害教師の会として抗議と要請を申し入れます。

              全国視覚障害教師の会代表 有本圭希

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